2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580134
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Research Institution | Akita Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Research Center |
Principal Investigator |
高橋 砂織 Akita Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Research Center, 総合食品研究所, 主席研究員 (10142184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 一之 秋田県農林水産技術センター, 総合食品研究所, 主任研究員 (50181516)
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Keywords | レニン / 蛍光消光基質 / 発現解析 / 昆虫細胞 / 阻害物質 / 大豆 / 豆類 / 味噌 |
Research Abstract |
レニンは、レニン・アンギオテンシン系による血圧調節機構において律速酵素として重要な役割を担っている。本酵素はアスパルティックプロテアーゼの一種で、主に腎臓の傍糸球体細胞で生合成され、様々な刺激で血中に放出され血圧調節を行っている。本年度の研究では、これまで煩雑であったレニン活性測定法の改良を行うべく新たな合成基質を開発した。すなわち、ヒトレニン活性測定用蛍光消光基質であるN-methylanthranyl-Ile-His-Pro-Phe-His-Leu*Val-Ile-Thr-Lys-2,4dinito-phenyl(Dnp)-[D-Arg]-[D-Arg]-NH_2(*,切断部位)を考案し、これまで2日間を要していた活性測定時間を数時間に短縮することに成功した。さらに、大腸菌で発現し、巻き戻しが必要であった組換え型ヒトプロレニンについては、ヨトウ蛾由来の昆虫細胞であるSpodopteral flugiperda(Sf-9)細胞株を用いて発現することに成功した。Sf-9昆虫細胞においては、組換え型ヒトレニンは活性型として培養後期に培地中に分泌されることを見出し、ペプスタチンアフィニティーカラムを用いた簡便精製法を開発するとともに、酵素の諸性質を明らかとした。一方、平成18年度の成果を基礎として、小豆等の雑豆や野菜、山菜、海藻などの天然食材からレニン阻害物質を探索した。その結果、雑豆類やある種の山菜、海藻にヒトレニン活性阻害能を見出した。さらに、大豆由来レニン阻害物質に関しては、各種クロマトグラフィーを用いて精製を試みた。現在、構造解析を含めたより詳細な検討を進めている。
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