2008 Fiscal Year Annual Research Report
野生動物の生息環境としての樹洞の資源量と利用される樹洞の特性
Project/Area Number |
18580137
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
林田 光祐 Yamagata University, 農学部, 教授 (10208639)
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Keywords | 樹洞 / 野生動物 / ハビタット / 画像解析 / ブナ林 / 里山 / 森林管理 |
Research Abstract |
樹洞とは樹木の幹や枝にキツツキ類や枝折れなどの損傷によって形成された空洞のことであり, 様々な動物によって, 繁殖・ねぐらなどのために利用される。 今年度は夜行性の樹上性齧歯類であるムササビに着目し、これまで行ってきた調査地に加え、山形県内でムササビの生息地と考えられる林分を対象に調査を行った。 樹洞カメラを用いた内部観察による動物の利用状況の把握と、樹洞の形態(樹洞の入口が形成された高さ、入口面積、入口部から樹洞内部の上下方向に広がる空間の天井・底面までの深さ、内部容積の推定値)の計測・算出を行った。 ムササビの利用が確認された樹洞は28個で、その他にムササビが利用していたと考えられる敷藁が7個の樹洞が確認された。いずれも地面からの高さが3.9m以上の高所に形成された樹洞であり、入口を複数持つ樹洞が多く、入口は100cm^2以下の小さな面積のものが多かった。内部容積は0.005〜024m3と大小様々であった。各形態の計測値の最小値と最大値から利用可能な樹洞形態の条件を設定し、すべての樹洞の中で条件を満たす樹洞がどのような動物に利用されているかを調べたところ、条件満たす樹洞は73個であった。このうち他の動物種による利用が確認された樹洞が8個あり、ムササビの利用可能な樹洞が、他の樹洞と重複していることがわかった。 樹洞の内部の上下方向の深さを樹洞カメラで撮影した画像から推定する方法とそれを利用した内部容積の推定方法を開発し、論文作成して、公表できることとなった。
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Research Products
(3 results)