2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580161
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅村 研二 京都大学, 生存圏研究所, 助手 (70378909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川井 秀一 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (00135609)
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Keywords | キトサン / タンニン酸 / グルコース / メイラード反応 / セロビオース |
Research Abstract |
本年度は、キトサンと加水分解型タンニンとの相互作用および、キトサンと単糖との反応性について検討した。それぞれの概要を以下に記す。 キトサンとタンニン酸との相互作用の解明 キトサンは脱アセチル化度80〜85%、分子量約35,000の精製キトサンを用い、加水分解型タンニンはタンニン酸を用いた。これらを室温下、キトサン/タンニン酸の重量比、100/0,90/10,80/20,50/50,30/70の割合でそれぞれ1%希酢酸に溶解させ、40℃で乾燥させて各種フィルムを得た。フィルムの重量はタンニン酸の添加量によって増加し、重量比が30/70では250%以上の重量増加率を示すことが分かった。フィルム中の遊離アミノ基はタンニン酸の比率が大きくなるにつれて徐々に減少することが認められたが、いずれのフィルムも希酢酸にほぼ溶解することが明らかとなった。これらの結果、本条件でのキトサンとタンニン酸との化学的相互作用はさほど強くないことが推察された。次年度では、両者の相互作用に及ぼす熱処理の影響について検討する。 キトサンと糖との反応性の検討 タンニン酸は希酸中で容易に加水分解する可能性が高く、その際にグルコースを生成することが知られている。一般に、キトサンは還元糖とメイラード反応を起こすとされているが、詳細についてはほとんど明らかにされていない。そこで、グルコースやセロビオースを用い、タンニン酸の場合と同様の手法によりフィルムを作成し、諸特性を検討した。得られたフィルムの重量は糖の添加量とともに増加し、また、著しく褐色を呈することが認められた。フィルム中の遊離アミノ基は糖の添加量とともに著しく減少し、それにともなって希酢酸に対する不溶化が進行した。FT-IRの結果、キトサンの糖構造の開環や複素環式化合物の生成が確認された。フィルムの引張強度試験では、糖を20%添加した場合に最も高い値を示すことが分かった。次年度は、さらにキシロースやマンノースなどの反応性について検討する。
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Research Products
(1 results)