2007 Fiscal Year Annual Research Report
屋外使用環境下における難燃処理木材の性能低下メカニズムの解明
Project/Area Number |
18580169
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
原田 寿郎 Forestry and Forest Products Research Institute, 木材改質研究領域, 室長 (50353818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木口 実 独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, 室長 (50353660)
片岡 厚 独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, チーム長 (80353639)
松永 浩史 独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, 主任研究員 (80391184)
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Keywords | 難燃処理塗装木材 / 防火性能 / 屋外耐久性 / 劣化機構 / SEM-EDXA分析 |
Research Abstract |
本研究は、難燃処理木材の屋外使用環境下における性能低下現象を把握し、その劣化機構を明らかにするとともに、塗装の有効性を検討することを目的とする。19年度は以下の検討を行った。 市販の薬剤A(窒素りん酸系難燃薬剤)と自家調整した薬剤B(りん酸アンモニウム、ほう砂、ほう酸混合物)を注入し、その表面に含浸タイプ、造膜タイプ、透明系、着色系の塗装を施したスギ材を屋外に暴露した。 薬剤Aは薬剤Bに比べ屋外暴露による溶脱は少なかったが、暴露開始時に220kg/m^3程度木材内に注入されていた薬剤Aの残存量は、6ケ月後にはウレタン系難燃クリア塗料で塗装したもので200kg/m^3、油性含浸・油性半造膜型塗料で塗装したもので160kg/m^3、無塗装で60kg/m^3、12ケ月経過後では、ウレタン系難燃クリア・油性含浸・油性半造膜型塗料で70〜100kg/m^3、無塗装で40kg/m^3まで減少し、残存量に応じて防火性能も低下した。 しかし、薬剤Aを注入し、ウレタン系難燃クリア塗料または油性含浸型、油性半造膜型塗料を塗布した試験体は、18ケ月経過後の薬剤残存量が70kg/m^3まで低下するものの、防火性能ではコーンカロリーメータ試験による10分間の総発熱量が8MJ/m^2以下で、準不燃材料の性能を維持していることが明らかとなった。 さらにSEM-EDXAによる薬剤分布の観察を行い、薬剤注入時には木材全体にわたりその細胞壁内及び細胞内孔に薬剤が入っているが、耐候操作を行うと、表層に近い側の細胞内孔から薬剤が溶出するものの、細胞壁内の薬剤は残留していることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)