2007 Fiscal Year Annual Research Report
木材とエタノールの反応によるアセトアルデヒド発生機構の解明
Project/Area Number |
18580171
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
塔村 真一郎 Forestry and Forest Products Research Institute, 複合材料研究領域, チーム長 (70353779)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 明生 独立行政法人森林総合研究所, 複合材料研究領域, 室長 (10353591)
宮本 康太 独立行政法人森林総合研究所, 複合材料研究領域, 研究員 (70353878)
本田 敦子 独立行政法人森林総合研究所, 加工技術研究領域, 主任研究員 (00353574)
|
Keywords | アセトアルデヒド / 木材 / エタノール / VOC |
Research Abstract |
本研究では木材とエタノールの反応によりアセトアルデヒドが発生する機構を明らかにすることを目的としている。本年度は木材の樹種、養生条件および部位(心材部、白線帯、辺材部)の影響について調べた。 供試材として伐採時期等の履歴が明らかなスギ材とヒノキ材を使用し、心材と辺材(スギは白線帯も)から試料木片(2×2×1cm)を採取した。試験片は1条件当たり3個とし、ステンレス製小形チャンバー内、屋内、屋外の3ケ所に分けて2週間養生した後、表面にエタノール20mLを滴下し、50mLシリンジ中に封入した。30℃恒温器中で24時間静置後にシリンジ内の空気を2,4・ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)カートリッジにより採取し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析によりアセトアルデヒドの気中濃度を測定した。ブランクおよび紙を用いた系を対照とした。 その結果、スギ材およびヒノキ材にエタノールを滴下するとアセトアルデヒドの放散が認められたが、滴下しない場合には認められないことがわかった。ろ紙とエタノールでは発生しなかったことから、昨年同様木材とエタノールの組み合わせのみアセトアルデヒドが発生することが確認できた。スギ材からのアセシアルデヒド発生量はヒノキ材のそれより高いこと、アセトアルデヒドの気中濃度はおおむね辺材で高く、次いで白線帯、心材の順に低くなることがわかった。チャンバー内、屋内、屋外の3カ所での養生条件の影響については、屋外で若干高かったものの有意な差異は認められなかった。
|
Research Products
(1 results)