2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580177
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
廣野 育生 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学技術研究科, 准教授 (00270926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 宙 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 特任教授 (00051805)
近藤 秀裕 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 助教 (20314635)
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Keywords | クルマエビ / 自然免疫 / RNA干渉 / 発現制御 / ノックダウン / 血球凝集 / 生体防御 |
Research Abstract |
昨年度は血液凝集に関与する凝集タンパク質(Clotting protein)と凝集タンパク質の活性化に関与する酵素トランスグルタミナーゼ遺伝子のノックダウン解析を遺伝子の転写レベルでの解析を行ったが、今年はタンパク質レベルでの発現抑制を確認した。さらに、凝集タンパク質遺伝子あるいはトランスグルタミナーゼ遺伝子のいずれかの発現を抑制するといくつかの生体防御関連遺伝子の発現も抑制されたことから、血液凝集と種々の生体防御関連遺伝子の発現制御に密接な関係があることが明らかになった。血球凝集とは異なる自然免疫であるプロフェノールオキシダーゼ活性化系の実行分子であるプロフェノールオキシダーゼ遺伝子をノックダウンするとクルマエビが死ぬことより、プロフェノールオキシダーゼはクルマエビの生存に重要な分子であることが示唆された。しかし、プロフェノールオキシダーゼ遺伝子をノックダウンしても、血球凝集関連遺伝子をノックダウンしたときのように、他の免疫関連遺伝子の発現を抑制するような現象はみられなかった。さらに、免疫関連遺伝子の発現を抑制することでクルマエビの血中棲息細菌が増殖し、血中細菌数が増加することもみつけた。エビ類の免疫・生体防御メカニズムは自然免疫中心であると考えられているが、本研究によりクルマエビの免疫・生体防御システムは、何らかのネットワークを形成し、病原微生物の侵入に対応していることが示唆された。本研究成果は、今後、無脊椎動物の免疫学研究分野の発展にも大きく貢献するものと思われた。
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Research Products
(2 results)