2007 Fiscal Year Annual Research Report
合成抗酸化剤エトキシキンの魚類免疫機構に対するリスク評価とその管理
Project/Area Number |
18580179
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
舞田 正志 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学技術研究科, 教授 (60238839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
延東 真 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (80128355)
片桐 孝之 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 助教 (50361811)
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Keywords | 合成抗酸化剤 / エトキシキン / 免疫毒性 / リスク評価 |
Research Abstract |
平成18年度におこなった研究で、飼料中のエトキシキン(EQ)濃度が150 ppmでティラピア好中球に対する貪食能を低下させるという結果を得た。EQは飼料中のフリーラジカルを補足し、自身が酸化されることで飼料の酸化を防止していることから、EQだけでなくEQ分解物についても毒性評価をおこなう必要がある。そこで平成19年度では、保存によりEQ分解物が得られるか、また、EQ分解物が魚類に対して免疫毒性を示すかについて明らかにすることを目的とした。 まず調整したEQ溶液を冷凍、冷蔵、室温と条件を変えて保存してHPLCに供し、濃度変化を観察した。時間の経過に伴い溶液中のEQ濃度が低下したことから、これを曝露試験に用いるEQ分解物溶液とした。 次にEQ溶液をティラピア好中球に曝露し、貪食率と貪食指数を求めた。EQ曝露試験では、コントロール区に比べ完全分解区で貪食率、貪食指数ともに有意に低下し、EQ区と同程度であったことから、EQ分解物には魚類に対する免疫毒性があり、その毒性の強さはEQと同程度であることが明らかとなった。また、分解物含有EQ溶液の貪食率及び貪食指数は高EQ区と同程度に低下し、低EQ区とは有意な差があった。EQ分解物の毒性はEQと同程度であり、EQの毒性は曝露時の濃度ではなく、添加されているEQの総量に依存していた。以上の結果から、溶液中でEQ濃度が低下してもティラピア好中球に対する毒性は失われないということが明らかになった。フォトダイオードアレー検出器によって、他波長での分解物ピークの検索を行ったところ、280nmでのピークが検出されたが、分解物の定量までには至らなかった。そのため、in vivoでの分解物の毒性評価はできなかった。
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Research Products
(2 results)