2008 Fiscal Year Annual Research Report
飼育下におけるカタクチイワシ仔稚魚の行動特性の個体発生
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18580183
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
益田 玲爾 Kyoto University, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (60324662)
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Keywords | カタクチイワシ / ミズクラゲ / アユ / マダイ / 濁り / 群れ / 被食 / 初期減耗 |
Research Abstract |
昨年度と同様、舞鶴市田井の定置網でカタクチイワシの親魚の入手を試みたが、漁獲が少なく、入手できなかった。そこで、カタクチイワシと同様にシラス型の形態を持っアユの仔魚を主な材料として、1.濁度が被食に与える影響、2.濁度が群れに与える影響、3.天然海域での被食について検討した。 まず、カオリン濃度0、50または300ppmの環境下において、視覚捕食者(マアジ幼魚)または接触捕食者(ミズクラゲ)による被食を比較した。その結果、マアジの捕食に対する生残は、濁度が高いほど向上するのに対し、ミズクラゲに対する生残は、濁りの有無による差異は見られなかった。上記の実験をマダイ仔魚についても試みたところ、ほぼ同様の傾向が見られたものの、マダイ仔魚はマアジに捕食されやすく、ミズクラゲには捕食されにくい傾向が認められた。以上のことから、シラス型仔魚はクラゲ類の被食を強く受ける可能性が示唆された。続いて、濁度と群れの関係について検討した。アユ仔魚を0、50または300ppmカオリン濃度の海水に収容したところ、個体間距離は濁度の高い環境で狭く、濁った水中で本種仔魚がコンパクトな群れを作ることが示唆された。一方、2008年10月から2009年1月にかけて、若狭湾沖でネットを曳き、3030個体のミズクラゲを採集し胃内容物を確認したところ、コペポーダ、甲殻類幼生、およびムラソイ仔魚が確認された。
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