2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580190
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
森山 俊介 Kitasato University, 海洋生命科学部, 准教授 (50222352)
|
Keywords | アワビ / 脳下垂体ホルモン / 分子進化 / 成長促進因子 / 成長促進因子受容体 / サケ成長ホルモン |
Research Abstract |
脊椎動物の成長ホルモン、プロラクチンおよびソマトラクチンの祖先遺伝子が成長ホルモン型であり、無脊椎動物に起源を有する仮説に基づいて、エゾアワビの脳神経節および肝膵臓から魚類の成長ホルモンおよび成長ホルモン受容体に構造が類似するホモログの探索を行なった 1.エゾアワビの成長促進因子の構造解析 エゾアワビの脳神経節(2g)を200mMの酢酸アンモニウム(pH9.0)で抽出し、その上清をゲル濾過および高性能液体クロマトグラフィーに付して、サケ成長ホルモン抗体に対して免疫反応陽性を有する分子量18kDaおよび20kDaのタンパク質を精製した。精製した18kDaおよび20kDaタンパク質のアミノ末端部、それぞれ15残基および10残基の構造を決定した。脳神経節一本鎖cDNAを鋳型として、決定したアミノ酸配列および魚類の成長ホルモンの構造比較を基に作成したプライマーを用いたPCRによりcDNA断片を増幅してクローン化し、塩基配列を決定した。 2.エゾアワビの成長促進因子受容体の探索 エゾアワビ稚貝(殻長、約5cm)に100μgのサケ成長ホルモンを注射した後、12時間目に肝膵臓を採取した。この組織から調製した一本鎖cDNAを鋳型として、魚類の成長ホルモン受容体の構造比較を基にしたプライマーを用いたPCRによりcDNA断片を増幅してクローン化し、塩基配列を決定した。 3.プロラクチンとソマトラクチン産生細胞の探索 サケのプロラクチンとソマトラクチン抗体を用いた免疫組織染色により、これら抗体に対する免疫反応陽性細胞を脳神経節に認めた。これらの陽性反応は抗原で吸収した吸収抗体では染色されなかったので抗原に特異的といえる。また、脳神経節に生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン抗体に対する免疫反応陽性細胞も存在した。
|
Research Products
(3 results)