2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580191
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
天野 勝文 Kitasato University, 水産学部, 准教授 (10296428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 明義 北里大学, 水産学部, 教授 (10183849)
飯郷 雅之 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (10232109)
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Keywords | 水産学 / 生理学 / 脳・神経 / 摂餌 / 生殖 / オレキシン / MCH / GnRH |
Research Abstract |
1.オレキシン(ハイボクレチン)の時間分解蛍光免疫測定法の確立 ホルモンの機能を解析する上で,組織中の含量を測定することは非常に有効である.そこで,オレキシンの時間分解蛍光免疫測定法を確立した.第2抗体で固相化したマイクロプレートに抗オレキシン抗体,標準試料または未知試料,およびユーロピウム(Eu)標識オレキシンを添加して競合反応させた.最後に増強試薬を加えてEuを遊離させて蛍光強度を測定した.標準曲線は100ng/ml〜0.78ng/mlの範囲で描くことができた.マツカワとメダカの脳抽出物の競合曲線は標準曲線と平行であった.他ペプチドホルモンとの交差率は0.5%以下であった. 2.オレキシンニューロンの初期発生 オレキシンの機能開始時期を推定するためにマツカワ脳内におけるオレキシンニューロンの初期発生を調べた.オレキシン免疫陽性反応は艀化日に検出された.免疫陽性細胞体は,艀化4日後には視床下部付近に,14日後には成魚とは異なり外側隆起核上部に検出された.免疫陽性繊維の分布は艀化28日後には成魚と同様になった.以上より,マツカワ脳内において艀化直後にはオレキシンが存在すること,および細胞体は成長に伴ない移動することが示唆された. 3.オレキシン受容体のcDNAクローニング メダカのオレキシン受容体のcDNAクローニングを行った.メダカゲノム上にHCRTR1をコードする塩基配列は見出されず,HCRTR2のみが見つかった. HCRTR2は7回の膜貫通部位を持つGタンパク共役型受容体であり,膜貫通部位のアミノ酸はよく保存されていた.また分子系統樹を作成した結果,セブラフィッシュHCRTR2と同じ分枝に位置していることが確認された.HCRTおよびHCRTR2の発現部位をRT-PCRによって解析した結果,脳,網膜などの組織においてHCRTおよびHCRTR2のcDNA断片が増幅された.
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