2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580196
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
岡本 保 Kisarazu National College of Technology, 電気電子工学科, 准教授 (80233378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 邦夫 木更津工業高等専門学校, 基礎学系, 教授 (40042642)
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Keywords | レーザー誘起蛍光法 / スサビノリ / 海苔養殖 / 養殖管理 / 水産学 / 光計測 |
Research Abstract |
本年度は、スサビノリの蛍光スペクトルの励起波長依存性と光合成色素の吸収スペクトルの比較検討を行った。フィコエリスリンが起源と考えられる580nmのピーク強度とクロロフィルaが起源と考えられる685nmのピーク強度の強度比の励起波長依存性より、430nm付近で強度比は最小となっていることがわかった。これは430nm付近の励起光がクロロフィルaの最大吸収波長と一致して効率的に吸収され、685nm付近の蛍光強度が強くなったために580nm/685nmの強度比が小さくなったと考えられる。また、500nm付近では強度比は増加している。これは500nm付近の励起光がフィコエリスリンの最大吸収波長と一致して効率的に吸収され、580nm付近の蛍光強度が強くなったために580nm/685nmの強度比が大きくなったと考えられる。さらに各ピーク強度と530nmから800nmまでの積分強度の励起波長依存性を検討した。励起波長430nm付近では、580nmおよびアロフィコシアニンが起源と考えられる660nm付近の蛍光強度がかなり弱くなっているが、クロロフィルaが起源と考えられる685nm、720nm付近の蛍光強度は最大値の1/2〜1/3程度の強度になった。これは主色素であるクロロフィルaで効率よく吸収されるために、フィコエリスリンおよびアロフィコシアニンの蛍光強度が弱くなったと考えられる。一方、励起波長500nm付近では全てのピーク強度で最大の値を示した。これはフィコエリスリンの吸収による影響と考えられる。フィコエリスリンは海苔の補助色素であり、吸収したエネルギーを光合成反応中心であるクロロフィルaへ効率的に移行させる。そのため、580nm付近のフィコエリスリンの蛍光と同時に685nm、720nm付近のクロロフィルaによる蛍光も絶対強度が大きくなったと考えられる。
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Research Products
(3 results)