2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580196
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
岡本 保 Kisarazu National College of Technology, 電気電子工学科, 准教授 (80233378)
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Keywords | レーザー誘起蛍光法 / スサビノリ / 海苔養殖 / 養殖管理 / 水産学 / 光計測 |
Research Abstract |
あかぐされ病などの病害は、細菌の感染によって生じるため、初期段階において感染した部位に障害が点として生じ、徐々に広がっていくと考えられるが、病害の初期段階では感染した部位が極めて微小であり、周囲の健康な細胞からの蛍光が相対的に強いため、これまでのLIF計測では診断が困難である。そこで今年度は、病害の部位を初期段階で診断するためにデジタルマイクロスコープを用いて、細胞レベルでの蛍光分布測定を試みた。 LIFスペクトルで特徴的に変化するピーク波長の干渉フィルタを介してデジタルマイクロスコープに画像として取り込み、蛍光分布測定を行った。その結果、あかぐされ病に感染して細胞が死滅した部位からの蛍光は観測されなかった。しかし、細胞が死滅した周囲において580nm蛍光がその他の正常な部位に比べて強くなっている。つまり、あかぐされ病の感染した初期段階においては580nmの蛍光が強くなり、細胞が完全に死滅すると光合成色素が破壊されたために蛍光が観測されなくなると考えられる。 さらに、蛍光分布の時間変化を測定し、あかぐされ病の進行状況を観測した。測定開始時にあかぐされ病に感染して蛍光強度が強くなっていた部位は、測定開始から12分経過すると発光が見られなくなっていった。これは、細胞が死滅したことを示していると考えられる。測定開始から24分以降では、感染部位が広がるため発光範囲が拡大し、蛍光が強くなった部分の蛍光強度が徐々に弱くなっていった。このように、あかぐされ病により感染して拡大していく様子が蛍光強度の変化で観測できた。
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