2007 Fiscal Year Annual Research Report
水産系廃棄物ホタテガイ貝殻より単離した脂肪分解促進因子の構造および作用機構の解明
Project/Area Number |
18580201
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
長谷川 靖 Muroran Institute of Technology, 工学部, 教授 (80261387)
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Keywords | ホタテガイ貝殻 / 有効利用 / 有機成分 / 脂肪分解 |
Research Abstract |
水産系廃棄物であるホタテガイ貝殻の新規有効利用法の開発を目指し、貝殻中に含まれる有機成分が脂肪分解を促進することを明らかにした。特に貝殻粉末を含む餌をラットに食餌させることにより白色脂肪組織重量が有意に減少することから、その作用機構の解明と生理活性物質の同定を目指し下記の実験を実施した。 ・1)脂肪細胞に分化することが知られている3T3-L1細胞を用い分化に伴い発現量が増加する脂肪酸結合タンパク質AP2のmRNA発現量の変化を貝殻抽出成分の存在下、非存在下でRT-PCRを用いて検討したところ、貝殻抽出成分はAP2の発現を抑制することを明らかにした。また、脂肪細胞への分化に伴って生じる中性脂肪の蓄積も貝殻抽出成分が顕著に抑制することからも、貝殻抽出成分が脂肪細胞への分化を抑制することがわかった。 ・2)脂肪分解促進因子として分子量約1万の糖タンパク質の単離に成功した。このタンパク質のアミノ酸組成分析を行ったところSer,Glyおよび酸性アミノ酸を多く含むタンパク質であることがわかった。 貝殻粉末を食餌することによる白色脂肪組織重量の減少は、貝殻抽出成分による中性脂肪分解の促進に加え、脂肪細胞への分化の抑制によるものであると推定された。 しかし、脂肪分解促進因子の構造決定についてはその収量の低さから全構造決定を行うことができなかった。
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