2008 Fiscal Year Annual Research Report
CSRを重視した持続可能な農業経営の構築に関する研究
Project/Area Number |
18580217
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木南 章 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00186305)
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Keywords | 農業経営 / CSR / 持続可能性 |
Research Abstract |
国内外の関連する既存研究のサーベイと事例収集を基に、農業経営への適用および応用が可能なCSR理論に基づく分析枠組みを構築した。特色あるCSR活動を行う農業経営の事例の特性を抽出、整理、類型化を行うとともに、農業経営におけるCSR活動の形成論理を明らかにした。 CSR理論、ステークホルダー・マネジメント論を基礎とする農業経営のCSR分析の枠組みを基に、以下のような農業経営の分析を行った。 都市近郊における農業経営が直面する持続可能性の問題を取り上げ、農業経営の持続可能性、持続可能発展論を基に分析を行った。水田の維持管理、都市住民の参加に関するCSR活動に重点を置き、統計資料の分析と実態調査による分析を通じて、その特質を明らかにした。 地域共有資源の保全をめぐるCSR活動を取り上げ、農地の保全活動に関する分析を行い、共同活動の形成要因と実施方法の選択要因を明らかにした。 地域経済条件や経営部門の違いによってCSR活動の効果、課題が異なるため、国内各地の事例の比較分析を行った。地域経済条件については、都市近郊と遠隔地との比較分析を行った。都市近郊については、米粉を用.いた農商工連携による地域振興と水田管理の実態について分析し、中山問地域については、集落営農の機能と経営管理のあり方との関係について分析し、両地域における農業経営のCSRの機能と課題を明らかにした。経営部門については、水田農業、園芸農業、畜産業との比較を行った。
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