2006 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマスのリファイナリーとカスケード利用に関する実証研究:統合システムの構築
Project/Area Number |
18580222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
淡路 和則 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助教授 (90201904)
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Keywords | バイオマス / 廃棄物再資源化 / 環境調和型農林水産 / 再生可能エネルギー / 農業経済学 / リファイナリー / カスケード / 副産物利用 |
Research Abstract |
バイオマス利用について、リファイナリーに着目してその可能性の追求と経済的評価を主として行った。 廃食用油のバイオデイーゼル(BDF)化について、副産物であるグリセリンの利用を調査した。BDF化の先進的な滋賀県、京都府、秋田県の事例をみたところ、バイオガス化の副資材、ごみ焼却炉の助燃剤、園芸用ハウス暖房の助燃剤としての利用が確認された。バイオガス化については、ドイツで広く行われており、グリセリン自体が有価で取引されていることが明らかとなったが、日本ではバイオガスプラントがそれほど普及していないことから現段階では一般化が難しいといえた。焼却炉での利用は、周年利用できる点は利点であるものの、エネルギー利用の観点から合理性の検討が必要であり、廃棄物処理の意味合いが強いといえた。園芸用ハウスの暖房利用においては、ボイラーの助燃剤としての利用によって原油の消費量を3割程削減する効果が確認された。これはまだ試験的段階であり、ハードの部分で改良の余地があるが、原油価格の高騰下ではエネルギーコスト低減効果が大きかった。 家畜排せつ物、食品残さのバイオガス化について、ネックとなる消化液利用の可能性を考察した。日本農業の土地利用からは水田での利用の追求が望ましいことから、京都府八木バイオエコロジーセンターでの水田液肥利用の実施データを整理した。収量、食味について液肥利用がマイナスとなるとは言い切れず、省力技術として評価できコスト低減になることが明らかになった。しかしながら、利用農家があまり広がらない問題があることが確認された。そこでは、イネの倒伏がみられた農家が液肥の利用を手控えている傾向があることも指摘でき、液肥利用の技術体系の確立の必要性が示唆された。 食品残さの飼料化については、飼料に適さないものを肥料化する事例からカスケード利用の基礎的データの収集を行った。
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