2007 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル経済下におけるシルク生産国の蚕糸絹産業構造の変動に関する研究
Project/Area Number |
18580230
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
宇佐美 好文 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 准教授 (40081559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦出 俊和 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (80244664)
宇山 満 近畿大学, 農学部, 准教授 (90176735)
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Keywords | シルク産業 / 東桑西移 / アンチ・ダンピング関税 |
Research Abstract |
平成19年度では、前年度調査によって収集した資料を用いて、中国における「東桑西移」の実態とその意義ならびにインドにおける中国生糸に対するアンチ・ダンピング(AD)関税の影響を解明した.これらの知見については、2007年度地域農林経済学会において口頭発表した.今後、論文として発表する予定である. また、今年度には、インドの主要養蚕地帯であるカルナータカ州とタミル・ナドゥ(TN)州で実態調査を実施するとともに、統計資料の収集を行った.インド最大でかつ世界最大の繭市場であるRamanagaram市場において伝統的な繭のセリ取引を視察し、市場近辺に立地する機械繰糸と座繰りの製糸工場において聴き取り調査を行った.中国の自動繰糸機械と比較して、旧式の繰糸技術であるために、多数の雇用を創出している一方、生産性が非常に低位で、品質面での競争と価格競争においてインドのシルク産業は苦境におかれているといえよう.また、中国産生糸を用いた輸出向け絹織物工場においても聴き取り調査を行った.インド繊維省中央シルク委員会(CSB)では、中国とインドの繭生産費の比較の研究会を持った.インドでは繭の生産費調査がないので、現状では厳密な比較が困難であるが、中国とインドでは労賃水準がほぼ同水準と考えられるにもかかわらず、インドの繭生産費の方が高く、生産性の低さを示唆することが明らかになった.TN州コインバトールでは、二化性蚕種の養蚕農家の聴き取り調査を実施するとともに、50戸の養蚕生産費調査を実施した.
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Research Products
(3 results)