2007 Fiscal Year Annual Research Report
町村長から見た日本農村の構造と歴史的変容に関する研究
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18580233
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
庄司 俊作 Doshisha University, 人文科学研究, 教授 (70130309)
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Keywords | 村長 / 浦里村 / 宮下周 / 経済更生運動 / 社会改良主義 / 農業・農村振興 / 御岳村 / 農会技術員 |
Research Abstract |
2006年度の研究実績は、大きく以下の4点にまとめられる 第1に、「優良更生村浦里村長宮下周言行録(3)」「同(3)」を編集執筆した。これは昨年度からの連作の資料集で,この2つでは1930年代の村長の代表的事例といえる宮下周が浦里村長に就任し経済更生運動を指導する時期の思想と行動を示す多くの手記・発言の記録等を集成し,詳細な解説論文を付した。なお、この資料集の編集紹介は後1回の予定であり、そこでは県議としての宮下に焦点を当て県会での質問記録や活動を示す資料を中心に編集する。 第2に、「現代転換期の農村と社会主義」をまとめ,浦里村長宮下周の軌跡を通して,「宮下における社会主義」の検証によって経済更生運動の歴史的位置付けを行うとともに,日本農村の1920年代と30年代の歴史的関連を考察した。 第3に,「1930,40年代農村社会研究の課題と方法」をまとめ,佐藤信夫『戦争の時代の村おこし』を取り上げ,本書が解明した論点を敷術し深めることによって,経済更生運動から戦時期の農村社会像を再構成するとともに,1930,40年代の農村社会史研究の課題と方法を考察した。 第4に,「戦時下部落の設立過程(上)」をまとめ,「町村-むら」関係の視点から,部落会の設立過程を検証することを通して部落会設立による戦時下農村の変化の歴史的な意義ないし歴史的な位置を明らかにした。 なお,前年度に引き続き資料調査やヒアリング等は精力的に実施したが,詳細は省略する。
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