2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580242
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
平松 研 Gifu University, 応用生物科学部, 准教授 (90271014)
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Keywords | 農業用排水路 / 水質 / 生態系 |
Research Abstract |
本研究は,都市化や生活形態の変化などといった,いわゆる人間活動が,最終的に生態系や地域の水環境に対してどのような影響を持つのかといった,地域全体を有機的に表現するシステムの構築を目指している.昨年度は,水環境に関する基礎データをもとに簡易なシステムダイナミクスモデルを作成し,本年度は生物相を組み入れるためのエネルギー型の生態系モデル,地理情報を組み入れた物理的水文流出モデル,人口の移動や経済活動を含む社会モデルなどの構築を課題としていたが,実際には生態系モデルの基礎データの収集に終始し,具体的なモデル構築は完成していない.データ収集は現地における生態および水環境調査により行い,月毎の定期調査の他,魚類の移動を確かめるための調査を7回程度行った.その結果,平成11年度より進められてきた水路改修は,魚類を中心とした生物種構成を大きく変えてきていることが分かるとともに,自然配慮型の工法が魚類の保全に効果があることも明らかとなってきた.また,水理環境は大幅に変化するが,水質などには大きな変化を与えていないことが明らかとなった.これらのデータは,現時点において,単独のデータに過ぎず,本来の目的である人間活動との関連性を得るためには,集水域内の様々なデータが必要となると考えられる.今後は,これらのデータの収集と地域の情報と水路内の水環境とをうまく関連させることのできるモデルの構築が課題となる.
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