2008 Fiscal Year Annual Research Report
アジアモンスーン地域における土地利用方式が水環境および生態系に与える影響
Project/Area Number |
18580248
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
三原 真智人 Tokyo University of Agriculture, 地域環境科学部, 教授 (00256645)
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Keywords | アジアモンスーン / 土地利用 / 物質収支 / 水環境 / 生態 |
Research Abstract |
平成20年度には、土壌および有機物、窒素やリン等の肥料成分等の物質収支に基づいて、流域内の土地利用方式の評価とともに保全対策技術の検討を行い、土地利用方式や営農管理が生態系へ与える影響について検討した。 (1)「土壌および肥料成分の捕捉能から見た椰子殻緩衝帯に関する検討 人工降雨装置(現有施設)を備えた模型斜面ライシメータ(現有施設)を利用して、植生帯に加えて、椰子殻緩衝帯の土壌および肥料成分の捕捉能について検討した。 (2)堆肥ペレット化に関する検討 堆肥のペレット化は東南アジアのスコールを有する国々において、水質汚濁の面源とされる普通畑からの肥料成分や炭素等の流出負荷を減少できる保全対策と期待されている。ペレット堆肥の施肥による肥料成分や炭素等の流出負荷削減効果を評価できた。 (3)物質収支および生態系から見た保全対策の検討 植生帯や堆肥ペレット化等の保全対策における現地農家の受け入れ度について、聞き取りやアンケート調査を実施して評価した。技術的に優れたものであっても、現地農家に受け入れられなければ、現地で普及しない。必要に応じて現地農家を対象に保全対策に関するワークショップを開催して、理解を深めることが高い受け入れ度に繋がると評価できた。 (4)物質収支および生態系から見た土地利用方式の評価 調査対象地の土壌特性や植生、化学肥料や農薬等の投入量等に関する調査結果を踏まえ、水環境および生態系の保全を考慮した環境保全型土地利用方式の提言を行った。
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