2006 Fiscal Year Annual Research Report
土地・水資源およびエネルギーの有効利用からみた農業循環システムに関する基礎的研究
Project/Area Number |
18580249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
駒村 正治 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (60078194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 好男 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (40078192)
中村 貴彦 東京農業大学, 地域環境科学部, 講師 (10287451)
金子 綾 東京農業大学, 地域環境科学部, 助手 (90408675)
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Keywords | 栄養充足 / 水循環 / 農業用ハウス / 雨水貯留 / 有機物分解 |
Research Abstract |
ヒトの必要栄養素に基づいたメニューを作成し、ヒトのエネルギー所要量を満たすだけでなく、ビタミン・ミネラルなどの栄養要素を十分充足するメニューを作成し、主食としては米および小麦を、畑作物としては芋、豆、トマト、イチゴなどタンパク源としては卵および水田養魚によるドジョウを採用し、静岡県における作物別収量から信頼度50%で目標収量を確保する農地面積を算出し、農業循環システムモデルの一端として成人の栄養充足に基づいた農地面積、必要水量等の検討を行った。循環モデルの要素としては水田、畑地のほか、水源および肥料源としての林地を設定した。 農業用ハウスによる雨水の集水・貯留と多目的利用を想定した貯留水の水質環境について、東京農業大学世田谷キャンパス内に建設されたハウスを利用して検討を行った。降雨量とハウス内貯水槽の貯留効率を検討したところ1降雨期間中10mm以上になると貯留効率は50%を下回る結果となった。貯水槽内の水温については、底部において年間を通じて10〜25℃と安定していた。さらに、雨水と貯留水の水質について検討したところ、雨水が貯水槽内に流入することで全窒素濃度が上昇する傾向にあった。なお、貯留水の多目的利用を行う上でpHと窒素を除いてほぼ適正な水質環境にあった。そこで、pHと窒素の水質改善を図るために貯留水を戸室石に接触させて循環させたところ、pHの調整機能と窒素の吸着機能による水質改善効果のあることがわかった。 また、ハウス内において灌概水量を変化させて節水灌概によるヤツガシラの生育試験を行い、土壌の強熱減量を測定した結果、灌概水量の最も少ない区に比べて標準的な灌概を行った区において強熱減量が低くなり、有機物が分解されやすいことが明らかとなった。また、複合化学肥料の施用後の化学成分分布は灌概範囲の最外縁部に塩化物イオン、ナトリウムイオンをはじめとしたイオン類が集積する傾向があった。
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