2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ乳腺上皮細胞のアポトーシス誘導および抑制機構の解明
Project/Area Number |
18580263
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
萩野 顕彦 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 助教 (80156249)
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Keywords | 乳腺上皮細胞 / アポトーシス / IGF-I / 成長ホルモン |
Research Abstract |
泌乳最盛期をすぎると乳量が徐々に低下するが,この低下はおもに乳腺上皮細胞数がアポトーシスにより減少することに起因するとされており,この低下を抑制することができれば乳量増加という経済的なメリットだけではなく,泌乳期内の乳量の変化が少なくなり乳牛個体への負担軽減にもつながる.本研究では,泌乳中後期の乳腺上皮細胞のアポトーシス制御機構を明らかにし,最終的にこのアポトーシスを抑制し持続型の泌乳曲線となるような飼養管理技術の開発や,乳牛育種の指標を提供するために、培養ウシ乳腺上皮細胞を用いて、細胞レベルでのアポトーシス制御機構について検討することを目的とする。 (1)IGF-1、GH刺激時の細胞増殖およびアポトーシス抑制重要な役割を果たしている細胞内因子であるMAPKおよびAktのリン酸化の変化に及ぼすインスリン様成長因子-I(IGF-I)、成長ホルモン(GH)の影響について、それぞれの特異抗体を用いたWestern blot法により解析をおこなった。IGF-IはAktのリン酸化を増加させ、GHはその作用を増強した。 (2)ウシ乳腺上皮細胞(BMEC)のIGF結合タンパク質(IGFBP)発現に及ぼすGHの影響について、Western ligand blot法により検討した。GHはIGFBP-3の発現には影響しなかったが、IGFBP-5の発現を抑制した。 (3)MAPK、Aktのリン酸化に及ぼすIGF-結合タンパク質-5(IGFBP-5)の影響についてWestern blot法で検討した。IGFBP-5はIGF-1によるAktリン酸化増加を抑制した。
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Research Products
(1 results)