2008 Fiscal Year Annual Research Report
食農リテラシーを高めるための幼児を対象とした家畜介在教育に関する研究
Project/Area Number |
18580269
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷田 創 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (20197528)
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Keywords | 動物介在教育 / 家畜介在教育 / 情報提供プログラム / 環境エンリッチメント器具 / 食農リテラシー / 動物福祉 |
Research Abstract |
本研究は、幼稚園及び保育園の幼児を対象として、食農リテラシーを高め豊かな人間性を培うことができる家畜介在教育(Farm Animal Assisted Education for Children: FAAEC)の発展を目指している。食農リテラシーとは、人間生存の基本となる食とそれを可能とする農及び自然環境に関する認識、評価、実践を総合した能力のことであり、その能力を生命に対する認識とともに一体的に獲得するためには、畑作や稲作の体験だけではなく家畜介在教育が必要である。 平成19年度の研究では幼稚園における家畜介在教育のモデル動物としてウサギを取り上げ、まず広島県内200の幼稚園を対象としたアンケート調査により、ウサギ飼育率、飼育状態および動物を介在させた教育への取り組みの状況を調べた。その結果、家畜介在教育(FAAEC)プログラムの開発にあたっては、教員の動物飼育に関する知識の向上とウサギの飼育状況の改善(福祉の向上)が急務であることが明らかとなった。そこで平成20年度には、1)教員の動物飼育に関する意識の改善と知識の向上を目的とした動物介在教育情報提供プログラムの開発と2)ウサギの飼育状況の改善を目的とした環境エンリッチメント器具の開発を行った。その結果、定期的に動物飼育に関する情報提供を教員に行うことで、教員の意識の改善と知識の向上が認められた。また、本研究で新たに開発したエンリッチメント器具により、ウサギの飼育状況が改善され、ウサギ本来の自然な行動が認められようになった。今後は、これらの情報提供プログラムとエンリッチメント器具を一般に普及することで家畜介在教育の発展に貢献するものと考えられた。
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Research Products
(5 results)