2007 Fiscal Year Annual Research Report
乳用ヤギ飼育は定着するか?-ヤギミルク生産システムの実証的研究-
Project/Area Number |
18580273
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
小澤 壯行 Nippon Veterinary and Life Science University, 応用生命科学部, 准教授 (30247085)
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Keywords | ヤギ / ミルク / 受容性 / 官能試験 / 石けん / 生産システム / ニュージーランド / ヤギ肉 |
Research Abstract |
1.ヤギミルク受容性の実態解明 ヤギミルクの消費受容性を明らかにするために、20代の大学生に対して官能試験を実施した。実験に際し、被験者をヤギ乳の効用について飲用前に告知した群とそうでない群に分別した。この結果、ヤギ乳の官能評価に対しては統計的な差異が生じなかったものの、飲用量に関しては告知群が統計的に有意に多く費消する傾向が認められた。この結果、ヤギミルク飲用促進に際しては広報活動が有用であることが示唆された。 2.ヤギミルク使用石けんの実効性分析 ヤギミルク含有率が異なる石けんを作成し、これを20代女性の使用に供することにより、ヤギミルク濃度が肌水分率に及ぼす影響を測定した。この結果、ヤギミルク含有率と肌水分率との間に相関は認められなかったものの、含有率が高まるにつれて使用感が有意に高まることが明らかになった。したがって、ヤギミルクは石けんの使用感に何らかの便益を供する傾向があることが認められ、ヤギミルクの新たな用途として十分市場性があることが明らかになった。 3.シェーブルミート(ヤギ肉)・ヤギミルクの生産システム概括 ヤギ肉とヤギミルクが生産現場において産出され、いかなる商品展開を経て消費者の手元にもたらされるのか、そのプロセスを明らかにした。また小学校教育の場にいて有効な教材であることも示唆した。本研究の中間報告的位置づけである。 4.草地飼養形態における綿羊の制限給与が及ぼす影響 -安全で美味しいヤギミルク生産システム構築の一助として- 草地基盤に根ざしたヤギミルク産出システム構築のためには、その先進地域であるニュージーランドの牧羊システムに学ぶ点が多い。本研究ではマッセイ大学の協力を得て、綿羊に対して制限給与を行うことが、生体機構システムに及ぼす影響を明らかにした。
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