2006 Fiscal Year Annual Research Report
消化管細菌の利用により共役リノール酸を増強した乳・肉・卵の生産
Project/Area Number |
18580274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
日野 常男 明治大学, 農学部, 教授 (50012050)
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Keywords | 共役リノール酸 / バクセン酸 / 消化管細菌 / 脂肪酸の取り込み / FadD |
Research Abstract |
1.ルーメン内でのバクセン酸(VA)の水素添加を防ぎ腸管からのVA吸収量を増加させる目的で、VA取り込み能の高い消化管細菌を検索した。即ち、ルーメン菌および腸内細菌を単離し、VA添加培地で培養した後、菌体中の総脂肪酸を分析することによりVA取り込み能を調べた。その結果、VA取り込み能の高い菌株を4種見出した。VA取り込み能の違いはグラム染色性や腸内細菌かルーメン菌かの違いによるものではなかった。また、VA取り込み能の高い菌では菌体中の脂肪酸組成が変化し、低い菌ではあまり変化しなかった。この結果から、細胞膜の脂肪酸組成を変化させ得る菌はVA取り込み能が高いことが推測された。恐らく、そのような菌ではVAを取り込むことにより脂肪酸合成系が調節されるのであろうと考えられる。 2.Bifidobacterium longumを供試し、脂肪酸の取り込みを担う可能性のあるタンパクを検索した。すなわち、そのタンパクとして4つのFadDに着目し、fadD1〜4をそれぞれ導入したEscherichia coliの形質転換体の作成を試みた。即ち、B.longumのfadDをPCRで増幅し、E.coliの発現ベクターに組み込んだ。このベクターをE.coliのBL21(DE3)に形質転換してfadDの形質転換体を作成した。得られた形質転換体はIPTGの添加によって過剰発現させ、目的のタンパクが過剰発現しているかどうかをSDS-PAGEで確認した。その結果、fadD1〜4のうちfadD2とfadD3を導入した形質転換体の作成に成功した(fadD1とfadD4については検討中)。しかし、予測した分子量のタンパクを過剰発現していなかったので、今後更に過剰発現させるための条件を検討し、FadDがアシルCoAシンセターゼ活性を持つか否かを調べる必要がある。
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