2007 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜スフェロイドを用いた生体外着床モデルの構築
Project/Area Number |
18580282
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山内 伸彦 Kyushu University, 大学農学研究院, 准教授 (00363325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 真彰 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (60175536)
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Keywords | スフェロイド / 受精胚 / ラット / 三次元培養 / 着床 / MMP |
Research Abstract |
【目的】我々は、組織工学的手法によって作製したラット子宮内膜間質細胞のスフェロイドが、生体外で脱落膜化能を有する事を報告している。本研究では、子宮内膜スフェロイドと受精胚の相互作用を解析する事により、生体外着床モデルとしての有効性についての評価を試みた。【方法】コラーゲンゲル上で培養したラット子宮内膜間質細胞がコンフルエントに達した後、コラーゲナーゼ処理によってゲルを消化し細胞シートを脱離させた。その後細胞非接着性のアガロースコートプレートで培養し、自己収縮・凝集させてスフェロイドを作製した。スフェロイドを構成する細胞の生存性をTUNEL法によって調べたスフェロイドと脱出胚盤胞期胚を細胞非接着性のヌフェロイドプレート内で共培養し、実体顕微鏡下で形態的な変化を観察した。さらに、共培養後のMMP産生をゼラチンザイモグラフィー法によって調べ、スフェロイドおよび脱出胚盤胞期胚のみの場合と比較した。【結果】脱離した細胞シートは収縮・凝集して脱離後3日目には辺縁部が滑らかとなり直径約500μmのスフェロイドが形成された。TUNEL法により少なくとも15日間はスフェロイド内部の細胞が生存していることが明らかとなった。共培養開始24時間後には受精胚と子宮内膜スフェロイドの接着が確認された。その後も受精胚はスフェロイドの内部に潜り込むように侵入していき、共培養3日後には子宮内膜スフェロイドと一体化するように浸潤を進めた。さらに、受精胚およびスフェロイド単独ではMMPの産生は検出されなかったが、両者を共培養した場合MMPの産生が認められた。これらの結果から、生体外で再構築した子宮内膜スフェロイド内部に脱出胚盤胞期胚が浸潤するが明らかとなり、生体外における着床モデルとして有効である事が示唆された。
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Research Products
(3 results)