2007 Fiscal Year Annual Research Report
ABCトランスポーター、Bcrp1によるマウス胚性幹細胞の未分化維持機構の解明
Project/Area Number |
18580283
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
三谷 匡 Kinki University, 先端技術総合研究所, 准教授 (10322265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 和弘 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (10298937)
松本 和也 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (20298938)
田口 善智 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (70309269)
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Keywords | ABCトランスポーター / Bcrp1 / アイソフォーム / ES細胞 / リアルタイムPCR / 分化誘導 |
Research Abstract |
本研究では、ES細胞の未分化状態の維持におけるABCトランスポーターファミリー・Bcrp1による制御機構に関する分子基盤を明らかにすることを目的とする。本年度は以下の研究を行った。 (1)ES細胞におけるBcrp1アイソフォームの発現解析 Bcrp1にはexon1に3つのアイソフォーム(A、B、C)が存在し、細胞の種類や分化段階により選択的に発現している。そこで、ES細胞におけるBcrp1 mRNAアイソフォームの発現をリアルタイムPCRにより解析した。まず、組織細胞及び培養細胞による発現を検討した結果、既報と同様にアイソフォームBが優位かつ構成的に発現し、アイソフォームAおよびCについては組織・細胞種により発現に差がみられた。一方、ES細胞では、造血幹細胞などで高発現するアイソフォームBが高発現し、アイソフォームCの発現はほとんどみられなかった。 (2)ES細胞の分化過程におけるBcrp1アイソフォームの発現の変動 ES細胞の体外分化誘導系を用いてBcrp1mRNAアイソフォームの発現の変動を解析した。その結果、Bcrp1 mRNAの発現は分化誘導開始より未分化マーカーであるOct3/4ならびにNanogの発現低下に先立ち急速に減衰した。その後、いくつかの分化マーカーの発現とともにBcrp1の発現が増加した。Bcrp1 mRNAアイソフォームに関しては、アイソフォームBが優位となった。 (3)ES細胞の分化過程におけるBcrp1の機能解析モデルの構築 ES細胞の分化過程におけるBcrp1の役割を解析するため、Bcrp1過剰発現ES細胞ならびにRNAiによるBcrp1アイソフォームノックダウンES細胞の作製を進めている。なお、ノックダウン効率の簡易評価法として、ルシフェラーゼデュアルアッセイを利用した測定法を開発した(特願2007-118962号)。
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