2007 Fiscal Year Annual Research Report
レポーター遺伝子に対する応答性を利用した鳥類レプチン活性測定法の開発
Project/Area Number |
18580290
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大久保 武 Kagawa University, 農学部, 准教授 (70233070)
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Keywords | ニワトリ / レプチン / バイオアッセイ / 情報伝達 |
Research Abstract |
ニワトリレプチン受容体(chLEPR)安定発現細胞株(CHO-chLEPR)細胞におけるレポーター遺伝子のレプチン応答性の改良する目的で、STAT応答配列の数及び向きの異なる複数のレポーターベクターを用いた試験を行った。いずれのレポーターベクターを用いた場合でも高濃度域では濃度依存的なレプチン応答性の上昇は認められたが、低濃度域ではレプチン応答性の改善は認められなかった。またニワトリSTAT3(chSTAT3)をCHO-chLEPR細胞内で発現させてリン酸化の有無とレプチン応答性について解析した。chSTAT3はレプチン刺激により速やかにリン酸化されることが明らかとなった。しかしCHO-LEPR細胞へのchSTAT3の導入は、高濃度のレプチン処理に対するルシフェラーゼ活性は対照に比べて上昇したが、低濃度レプチン処理ではルシフェラーゼ活性は対照と同等であり、chSTAT3がレポーター遺伝子のレプチンに対する応答性改善に対する効果は限定的である事が明らかとなった。さらに鳥類由来の培養細胞株であるニワトリ肝ガン細胞(LMH)にニワトリレプチン受容体を発現させ、レプチン依存的なレポーター遺伝子の活性化についても同様に解析したが、そのレプチン応答性は哺乳類由来の培養細胞株で樹立したCHO-LEPRで見られた反応性と同等であった。これらの細胞を用いて、ニワトリ血清、肝臓及び脳抽出液中のレプチン様活性の有無を測定した。しかしながら、ニワトリ生体成分による刺激を細胞に与えても特異的なルシフェラーゼ活性の上昇は認められず、鳥類の生体内レプチンは非常に低濃度である可能性が示唆された。従って今後chLEPR発現細胞での低濃度レプチンに対するレポーター遺伝子の応答性を改善する必要がある。
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Research Products
(6 results)