2008 Fiscal Year Annual Research Report
鶏アデノウイルス新規レセプター分子の解析-筋胃びらん発症機構の解明-
Project/Area Number |
18580294
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
田原口 智士 Azabu University, 獣医学部, 准教授 (30312416)
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Keywords | 鶏アデノウイルス / 筋胃びらん / レセプター |
Research Abstract |
Aviadenovirus属は、12の血清型からなり鶏の封入体肝炎の原因ウイルスである事が知られている。鶏の封入体肝炎は、主たる病変が肝臓にあり、肝細胞に核内封入体形成をともなう肝炎が認められる疾患である。また、鶏の封入体肝炎の原因ウイルスは特定の血清型に限定されていない事が知られている。しかし、近年、ブロイラーにおいて、鶏アデノウイルス感染に起因する筋胃びらんが大量発生し問題になっている。症状の軽いものでは、出荷され解体された段階ではじめて筋胃びらんが見つかるが、重症例では、筋胃のびらんから多量の出血が認められ急性経過で死亡する。これらの筋胃びらん材料からは、血清型1または8の鶏アデノウイルスが分離されている。 前回(19年度)の報告で、鶏アデノウイルス血清型1(JM1/1)に結合する蛋白が、Myosin11(Myosin heavy chain11)であることを明らかにした。この蛋白を抗原に、モノクローナル抗体を作成し、2種のMyosin11に結合するモノクローナル抗体を得た。得られた2つのモノクローナル抗体は、Myosin11に結合することが明らかになったが、FAVの感染阻止能は持たなかった。 我々は、新たに筋胃抽出液中に鶏アデノウイルス血清型1に結合する42Kdaと39Kdaの蛋白を検出し、解析を進めている。
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