2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580297
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
竹内 正吉 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 教授 (00171611)
|
Keywords | 薬理学 / 消化管運動 / 腸神経叢 / ムスカリン受容体 / SKチャネル / ニコチン受容体 / Ca感受性増強機構 / 抑制性神経伝達 |
Research Abstract |
1.ラット遠位結腸輪走筋のムスカリン受容体活性化収縮におけるCa感受性増強機構のわずかな関与 カルバコールによるムスカリン受容体刺激は、ラット遠位結腸輪走筋に2相性の収縮を生じた。速い一過性のphasic収縮とそれに続く張力の小さなtonic収縮を生じた。細胞内カルシウム濃度([Ca^<2+>]i)を、蛍光指示薬を用い収縮と同時に測定すると、収縮張力と[Ca^<2+>]iの増加との間に乖離は認められなかった。さらに、膜透過性標本を用い、直接収縮におけるCa感受性増強機構の関与を検討したところ、わずかであることが明らかとなった。この結果は、輪走筋の収縮機構が縦走筋とは異なることを示唆しており、腸平滑筋運動の解明の一端となる。 2.消化管におけるSmall conductance Ca^<2+>-activatedK^+(SK)channelとニコチン受容体 モルモット腸神経細胞体にはSK2チャネルが発現しており、ニコチン受容体による腸神経興奮を調節している可能牲を示唆し、さらには、両タンパク質の間に物理的な相互作用を明らかにした。一方、SK3 channelsは間質系細胞に発現しているが、発現している細胞の種類や消化管における役割は今後更に検討する必要があると思われる。この結果は、腸運動制御におけるSKチャネルの重要性とその機能調節が受容体により直接行われていることを示唆すう初やての報告である。 3.マウス結腸における電気刺激誘発性弛緩の神経伝達物質の同定とその細胞内機序 マウスの消化管運動に関する研究は少ない。そこで、マウス遠位結腸における抑制性反応に関わる神経伝達物質を検索した。各種阻害薬の結果から、マウス遠位結腸では、一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)、ATPが抑制性伝達物質であることが明らかとなった。また、NOとCOは平滑筋細胞内cyclic GMP濃度を増加するが、続いてCOはprotein kinase G-SKチャネル経路を活性化するが一方NOの弛緩にはprotein kinase G系は関与しないことが示唆した。マウス結腸における抑制性神経伝達物質の同定と細胞内機序を解明し、更には動物種による抑制性神経伝達が異なることを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)