2007 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン発生毒性におけるノンコーディングRNAの役割
Project/Area Number |
18580298
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
寺岡 宏樹 Rakuno Gakuen University, 獣医学部, 教授 (50222146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 大二 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (40168828)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / ノンコーディングRNA / ダイオキシン / TCDD / 発生毒性 / Ah受容体 / チトクロームP450 |
Research Abstract |
A 標的miRNA候補: 中規模miRNAアレイにより、中脳血流が低下する受精後48hr(hpf)と心臓周囲浮腫が発生する72hpfについて解析した結果、それぞれ10種程度が2倍以上増加あるいは減少するmiRNAが検出された。このうちのいくつかは2つの時間帯で結果が一致している。現在、これらの機能についても解析を進めている。 B 同定RNAの発現解析: 前年度および今年度のDOP-PCR解析においてTCDDで転写が増加した配列のうち、リアルタイムPCR解析で顕著な増加が確認できたのはチトクロームP450-1C1(CYP1C1)と1C2(CYP1C2)であった。このうちCYP1C2のノックダウンを行った結果、TCDDによる浮腫や血流障害を回復させた。従って、CYP1C2がTCDD毒性発現において役割を担っている可能性がある。TCDDによるCYP1Cの誘導が3種のうちのどのタイプのAhRが介在しているかについても検討している。 C DOP-PCR法の応用拡大: ゼブラフィッシュの遺伝子データベースをもとに作成したDOP-PCRプライマーをメダカやコイ、ニジマスなど約10の魚種について試した結果、遺伝子情報のほとんど不明な魚種でも実施可能であることがわかった(五十嵐ら、2007:Teraoka, et. al.,2008)。また同様の手法がほ乳類や鳥類でも使用できる可能性についても検討している。これは高額な開発費と維持費を必要とするマイクロアレイに代わる、大規模ランダム遺伝子影響検出系として価値が高い。
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