2008 Fiscal Year Annual Research Report
胚性多分化能細胞から中胚葉系列細胞への分化におけるTGF-βファミリー
Project/Area Number |
18580299
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
舟場 正幸 Kyoto University, 農学研究科, 准教授 (40238655)
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Keywords | TGF-βファミリー / 胚性多分化能細胞 / 分化 / 中胚葉系列細胞 |
Research Abstract |
動物の個体はたった1個の受精卵から発生する。個体の正しい発生には精緻な細胞増殖と分化が不可欠である。受精卵や発生初期の細胞は分化における全能性を有しており、各胚葉の幹細胞に分化した後、多段階の分化過程を経て個体は形成される。細胞の分化制御に関して詳細の多くは依然として不明である。そこで、胚性多分化能細胞から中胚葉系列細胞への分化におけるTGF-βファミリーの意義を探ることを目的として研究を行った。前年度までに、TGF-βファミリーの情報伝達分子であるSmadタンパク質の活性化状態を鋭敏にモニターできる系を開発した(Funaba &Murakami, J. Biochem. Biophys. Methods, 70: 816. 2008)。この方法を利用して、分化過程におけるTGF-βファミリーの活性化を調べたところ、分化初期段階において、activin/Nodal/TGF-βの情報伝達分子の活性化が見られることが分かった。各リガンドの遺伝子発現を調べたところ、分化初期段階において、Nodal/Cripto系が活性化していることが判明し、この活性化が中胚葉形成に重要な分子であるBrachyuryとGoosecoidの発現を制御していることが明らかになった(Nakaya, Murakami, Funaba, J. Cell. Biochem., 105: 801. 2008)。また、研究を進める上で、TGF-βのI型受容体にはalternative splicingによって2つの受容体アイソフォームが存在することが分かり、各アイソフォームの分化過程における発現ならびに機能の際について調べた(Murakami, Kondo, Funaba, Cell Biol. Int., 32: 848. 2008)。
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