2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580300
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小川 健司 The Institute of Physical and Chemical Research, 辻本細胞生化学研究室, 専任研究員 (50251418)
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Keywords | マウス / 免疫担当細胞 / アクチビン / IgG |
Research Abstract |
マウス脾臓B細胞におけるアクチビンおよびその関連遺伝子の発現と、免疫応答にともなうその変化について検討した。マウス脾臓B細胞はアクチビンおよびアクチビン結合タンパク質であるフォリスタチンのmRNAを発現しており、これらの発現は、B細胞の活性化にともなって著しい変化を起こす事が明らかになった。LPSによってポリクローナルに活性化したB細胞は、アクチビン発現を増加させる一方、フォリスタチン発現は減少させた。B細胞の培養上清中のアクチビン活性も、LPS刺激によって上昇した。これらの結果は、B細胞は活性化にともない、アクチビンの産生を増加させると共に、その活性を阻害するフォリスタチンの産生を減少させる事により、正味のアクチビン活性を増加させている事を示唆している。この事は、免疫処置を施したマウスでは、未処置のマウスに比して、B細胞のアクチビン発現が高く、フォリスタチン発現が低かった事からも支持された。さらに、B細胞は、アクチビン受容体のmRNAも発現しており、この発現はB細胞のin vitroおよびin vivoでの活性化によって減少する事が明らかとなった。B細胞はアクチビンの産生源であると共に、その標的である可能性が強く示唆された。単離したナイーブB細胞を、LPS添加に先立ってActivin Aで刺激すると、LPSによって誘導される細胞増殖やIgGの産生が有意に増強される事が示された。これらの結果から、Activin Aは、B細胞の活性化にともなって産生され、B細胞の増殖や抗体産生を通じて液性免疫に重要な役割を果たすサイトカインである事が示唆された。
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