2006 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫と獲得免疫を橋渡しするILー7レセプターの機能解析と感染症防除への応用
Project/Area Number |
18580309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
真木 一茂 京都大学, ウイルス研究所, 講師 (10311424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 宏一 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90193177)
上田 正道 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (50115797)
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Keywords | サイトカイン / シグナル伝達 / γδT細胞 / 樹状細胞 / グルココルチコイド |
Research Abstract |
我々はインターロイキン7受容体(IL-7R)がγδT細胞の分化に必須であり、下流シグナルにおいてStat5がTCRγ遺伝子座のV-J組換えを誘導することを明らかにした。一方、IL-7RはStat5のみならず、MAPキナーゼやPI3キナーゼなどの様々なシグナル伝達分子を活性化するが、それらの機能は明らかになっていない。そこでStat5の活性化に必要と考えられているIL-7Rα鎖細胞質内領域のすべてのチロシン残基をフェニールアラニンに置換した変異型IL-7Rα鎖(IL-7RαFFFF)を作製し、シグナル分子の機能を解析した。IL-7Rα鎖欠損マウスのT前駆細胞にIL-7RαFFFFを導入したところ、IL-7Ra欠損マウスでは完全に欠失するγδT細胞の分化が部分的に回復した。次に、IL-7Rシグナルの詳細な解析を行うために、IL-7依存性リンパ球細胞株preBR1にキメラ受容体hIL-4R/mIL-7R FFFFを導入し、hIL-4刺激によってJγ germline転写が誘導される系を樹立した。その結果、IL-7R FFFFシグナルによりStat5のチロシンリン酸化が誘導されることが判明し、またこのStat5のチロシンリン酸化はMEK阻害剤U0126の添加によって著しく抑制された。MEKはMAPキナーゼのスレオニン残基のみならずチロシン残基のリン酸化酵素であることから、MEKがStat5をチロシンリン酸化できるかどうかについて、リコンビナントMEK1とStat5を用いてin vitro kinase assayで検討した。その結果、活性化MEKによってStat5が直接チロシンリン酸化されることが判明した。以上のことからIL-7RはIL-7Rα鎖細胞質内のチロシン残基のリン酸化を介した通常のStat5活性化経路のみならず、MEKを介してもStat5を活性化しTCRγ遺伝子座のV-J組換えを制御している可能性が示唆された。以上の研究成果については、現在国際雑誌に投稿中である。
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