2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580316
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
日笠 喜朗 Tottori University, 農学部, 教授 (30165071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 浩珍 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (80145820)
佐藤 耕太 北海道大学, 獣医学部, 准教授 (50283974)
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Keywords | 血小板 / 薬物受容体 / イミダゾリン / 細胞膜 / 血小板凝集 / コラーゲン / ADP / GTP結合蛋白質 |
Research Abstract |
本年度ではウシ血小板上のイミダゾリン受容体(IR)を介する血小板機能の一端を明らかにすることを目的として以下のラジオレセプターアッセイおよび血小板凝集能の検査を実施した。 1)α_2Rが存在しないウシ血小板を用いて、IRにおけるGTP結合蛋白質への関与についての検討を行った。I_1RではGTP、GTPγS、Gpp(NH)pの添加群全てにおいて、対照群と比較して高親和性領域のI_1Rに対する薬物親和性が有意に低下した。I_2Rでは、GTP、GTPγSの添加群全てにおいて、対照群と比較してI_2-Rに対する薬物親和性に有意差は見られなかった。このことから、I_1RはGTP結合蛋白質に共役している可能性が高く、I_2RはGTP結合蛋白質に関与していないと考えられた。 2)イミダゾリンおよび非イミダゾリン誘導体α-アドレナリン受容体遮断薬がウシ血小板凝集に及ぼす影響を検討した。その結果、6種類の薬物はすべてADPによる一次凝集の促進効果あるいはADPによる完全凝集の抑制効果を示さなかった。一方、フェントラミンはコラーゲン凝集を用量依存性に有意に抑制した。ヨヒンビン、アチパメゾール、トラゾリンでもコラーゲン凝集の抑制がみられた。しかし、イダゾキサン、プラゾシンはコラーゲン凝集の抑制を示さなかった。今回の薬物がADP凝集の抑制は示さず、数種の薬物でコラーゲン凝集の抑制が示したことは、ヒト、イヌ、ネコと比較するとウシだけで見られる反応であった。I_2-R選択性の高いイダゾキサンで抑制が起きず、非選択的I-R結合活性を持つフェントラミン、アチパメゾール、トラゾリンでコラーゲン凝集の抑制が認められたことから、ウシ血小板凝集を抑制する作用はI_1-Rを介して起きている可能性が考えられた。今後、I-Rを介した血小板凝集における情報伝達経路をさらに検討していく予定である。
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Research Products
(4 results)