2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580316
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
日笠 喜朗 Tottori University, 農学部, 教授 (30165071)
|
Keywords | 血小板 / 薬物受容体 / イミダゾリン / 細胞膜 / アドレナリン / ラット / ヨヒンビン / クロニジン |
Research Abstract |
これまでの研究により、イヌ、ネコ、ウシおよびウマ血小板の受容体の解析を進め、α2-アドレナリン受容体(α2-R)、イミダゾリン受容体(I-R)(サブタイプI1、I2)の存在および動物間でのこれらの受容体の割合における違いを明らかにしてきた。本年度ではラット血小板におけるα2-RおよびI-Rの存在を明らかにし、そのサブタイプを確定することを目的として実験を行ったところ、以下の所見が得られた。 (1)α2-Rに対する[3H]-Yohimbineおよび[3H]-Clonidineの結合はほとんど認められなかった。非アドレナリン受容体ではNorepinephrine存在下で[3H]-Clonidineの結合はほとんど認められず、[3H]-Idazoxanの結合のみ飽和曲線が得られた。[3H]-Idazoxanの結合において、Bmax(fmol/mg protein)とKd(nM)の平均はそれぞれ264と8.9を示した。置換実験において、[3H]-Idazoxan結合に対する置換曲線は一相性を示し、その親和性はKi値によりNaphazoline>Moxonidineの順になり、Naphazolineの方が100倍以上の高親和性を示した。以上から、ラット血小板にはα2-Rが少なく、非アドレナリン受容体が存在することがわかった。また、ラット血小板のI1-RはClonidine非親和性であり、このことからI1-Rが存在しないか、他の動物種とは薬理学的親和性が異なる可能性が示唆された。以上のような動物種による血小板の種類や数の相違はI-Rの作用の解明に有用である。今後はI-Rの作用機序の研究を進め、I-R作用薬の諸作用を明らかにしていくことによって血小板だけでなく全身諸臓器への臨床応用に発展していくことが期待される。さらに、I-Rを介した血小板凝集における情報伝達経路をさらに検討していく事が望まれる。
|
Research Products
(4 results)