2006 Fiscal Year Annual Research Report
ネコアディポネクチンの分子構造と肥満・糖尿病動物における血中動態
Project/Area Number |
18580322
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
石岡 克己 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (60409258)
|
Keywords | ネコ / 肥満 / 糖尿病 / アディポカイン / アディポネクチン |
Research Abstract |
平成18年度は、分子としてのネコアディポネクチンに焦点を当てた研究を実施した。猫の脂肪組織から抽出したtotalRNAを材料にしてRT-PCR法によるアディポネクチンのcDNAクローニングを行い、塩基配列およびアミノ酸配列を明らかにした。その結果、ネコアディポネクチンは他種の物と同様の分子構造を持ち、アミノ酸配列において89%(イヌ)-81%(ウシおよびラット)の高い相同性を有することが明らかとなった。同様に、骨格筋の組織からネコアディポネクチン受容体1型(AD-R1)のcDNAクローニングを行い、アミノ酸配列においてヒトと99%の相同性を認めた。特に細胞外ドメインについては100%一致し、アディポネクチン受容体を糖尿病治療の分子標的として見た場合、ネコがヒトのモデルになりうる可能性が強く示唆された。続いて猫の様々な臓器から抽出したRNAを用いてRT-PCR法を行い、これらの分子の臓器別発現分布を調べた。ネコにおいてもアディポネクチンは脂肪組織に限局的に発現しており、AD-R1は多くの臓器に広く発現していることが明らかになった。 ポリクローナル抗体を用いたマウス/ラット用のアディポネクチンELISAキットを用いて、ネコアディポネクチンに対する反応について検討した。その結果、測定内および測定間再現性、希釈直線性はいずれも良好な結果を示し、添加回収試験においても適切な反応が得られた。また、猫の血漿を検体として用いる場合の一般的な希釈倍率は10,000倍であることが確かめられた。
|