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2006 Fiscal Year Annual Research Report

ベトナム紅河デルタ農村の地下水ヒ素汚染に対する大量化学肥料投与の影響評価

Research Project

Project/Area Number 18580330
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

黒澤 靖  九州大学, 熱帯農学研究センター, 助教授 (70128114)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 江頭 和彦  九州大学, 大学院農学研究院, 教授 (20038293)
福田 信二  九州大学, 熱帯農学研究センター, 助手 (70437771)
Keywords紅河デルタ / アンモニウム態窒素 / 化学肥料 / 地下水 / ヒ素 / 水質基準 / 還元溶出 / 窒素同位体比
Research Abstract

2006年10-11月にベトナムを訪問し,ハノイ農業大学の共同研究者とともに,ハノイ近郊農村の地下水のヒ素汚染に関する情報を収集し,同地域で5つの農村を調査対象地に選定した.これら各農村で,クロッピングパターン・化学肥料の施肥状況を調査し,地表水と地下水(各5-6箇所)の水質測定を行った.
調査の結果,各農村のクロッピングパターンは,稲作,稲作+野菜作,野菜作のいずれかで,これらクロッピングパターンの年間の窒素施肥量は220-2,600kg/haの範囲であった.地下水のヒ素濃度は,いずれの農村でもWHO飲用水水質基準(10ppb)を超える所があり,100ppb以上の箇所も3農村で見出された(最大値145ppb).地表水のヒ素濃度は,地下水よりも低かった(最大値80ppb).地下水のヒ素濃度が高い農村では酸化還元電位が低く(130mV未満),地下水中のヒ素は,還元的な状態で地中から溶出した可能性が高い.地下水のアンモニウム態窒素(NH_4-N)濃度(各農村の平均値2-21ppm)は,地下水ヒ素濃度の高い農村で高い傾向があり,地下水のアンモニウム態窒素の富化とヒ素汚染との間に因果関係があると判断された.硝酸態窒素(NO_3-N)濃度は,地表水・地下水ともに低かった(ほぼ2ppm未満).
各農村の代表的地下水サンプルについて窒素同位体比分析を行った結果,地下水の無機態窒素(NH_4-NとNO_3-Nを合わせたもの)の起源は,全農村のうち3農村が化学肥料,他の2農村は畜産廃液と判断された.このことより,まだ定性的な推論ではあるけれども,地下水へのヒ素溶出には,化学肥料はもちろん,畜産廃液も影響している可能性のあることが明らかになった.

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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