2006 Fiscal Year Annual Research Report
発酵法による木質系バイオマスからの高濃度燃料エタノール生産
Project/Area Number |
18580332
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
太田 一良 宮崎大学, 農学部, 教授 (70112315)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 幸男 宮崎大学, 工学部, 教授 (90148916)
廣瀬 遵 宮崎大学, 工学部, 助教授 (60264363)
|
Keywords | 糸状菌 / キシラン / キシラナーゼ / エタノール / 発酵 / バイオマス / 大腸菌 |
Research Abstract |
糸状菌Penicillium citrinum MU-4株におけるキシラン分解酵素系を解明するため、既報のXynAと異なるキシラナーゼXynBを新たに精製し、その遺伝子をクローニングした。XynB精製酵素のV8プロテアーゼ処理によって得られたペプチド断片について、アミノ酸配列10残基を決定した。その配列は、糸状菌由来のGHファミリー10キシラナーゼと高い相同性を示した。内部アミノ酸配列とGHファミリー10キシラナーゼのコンセンサス配列をもとに設計したプライマーを用いて染色体DNAから、427bpの増幅断片を得た。その塩基配列の情報を基に5'および3' RACE法を行い、XynBの完全長cDNAの塩基配列を決定した。その結果、本酵素のORFは、アミノ酸25残基からなるプレプロ分泌シグナルと302残基のからなる推定分子量32,637Daの成熟酵素をコードした。 6単糖グルコースだけでなく5単糖キシロースもエタノールへ変換できるエタノール発酵性遺伝子組換え大腸菌KO11株のエタノール耐性の評価を目的として、補糖法による発酵試験を実施した。発酵試験ではキシロース8%(w/v)またはグルコース10%(w/v)含有LB培地80ml(初発pH6.7)を含む100ml容三角フラスコにKO11株を植菌し、30℃で振とう培養を行った。発酵期間中は経時的に炭酸ガス発生量とエタノール濃度の測定を行った。また、各糖濃度が2%(w/v)以下に減少した時点でキシロースを5%(w/v)、グルコースを7.5%(w/v)となるように補糖する場合としない場合の2種類の条件で発酵試験を行った。エタノール濃度はイソプロパノールを内部標準物質としてガスクロマトグラフィーで測定した。その結果、補糖しない場合、キシロース培地とグルコース培地のエタノール濃度はそれぞれ72時間で4.9%(v/v)、48時間で6.3%(v/v)であったのに対し、補糖した培地ではエタノール濃度が144時間でそれぞれ7.0%(v/v)、7.9%(v/v)に上昇した。さらに、凍結乾燥した豚レバーをLB培地に加え発酵試験を行った結果、無添加の対照に比較してキシロースとグルコースのいずれの培地でも発酵初期の初速度の増大が認められた。
|