2007 Fiscal Year Annual Research Report
長鎖脂肪酸アルデヒドの脱カルボニル化酵素の探索と分離・精製
Project/Area Number |
18580334
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
細野 邦昭 Nihon University, 生物資源科学部, 教授 (80339291)
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Keywords | 応用微生物 / 酵素反応 / 廃棄物再資源化 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
ある種の緑藻は、菌体内に約1/3重量の炭化水素を蓄積することが報告されている。これは、緑藻のもつ複数の酵素により短鎖脂肪酸を長鎖脂肪酸アルデヒドに変換した後、脱カルボニル化して炭化水素に変換する酵素の存在によるものと考えられている。一方、食品加工工場等から年間約100万トンの食用廃油が排出され、その有効利用が検討されている。脂肪酸を化学的にアルデヒドに還元することは容易であることから、食用廃油に含まれる脂肪酸を化学還元して得られる脂肪酸アルデヒドを、炭化水素に変換する脱カルボニル化酵素をもつ微生物の探索を行っている。 昨年に続き、土壌から分離した約1000株の細菌について、脂肪酸アルデヒドを炭化水素に変換する酵素を探索するため、動植物油に多く含まれる炭素数18の脂肪酸アルデヒドであるオクタデカナールを脱カルボニル化してヘプタデカンへの変換を検討した。また、逆にヘプタデカンのオクタデカナールへの変換についても検討した。オクタデカナールあるいはヘプタデカンを唯一炭素源とする培地で細菌を培養し、培養液中に生成する物質について薄層クロマトグラフィーにより分離した。次に、ヘプタデカンあるいはオクタデカナールのRf値に近い変換物質についてガスクロマトグラフィー分析を行い、オクタデカナールをヘプタデカンに変換していると思われる細菌9株、ヘプタデカンをオクタデカナールに変換していると思われる細菌4株を得た。上記9株のうち1株について、変換物質をガスクロマトグラフィー・質量分析を行い、ヘプタデカンに近い質量数の値を得た。今後は、同様な方法で変換物質が目的とするものであるか検討する。
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