2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規キノジメタン発生法に基づくエストロン類縁体の合成研究
Project/Area Number |
18590002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北垣 伸治 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (20281818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向 智里 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70143914)
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Keywords | オルトキノジメタン / エンジアレン / タンデム環化 / エストロン / [4+2]環化付加 / 光延反応 / プロパルギルアルコール |
Research Abstract |
これまでに、スルフェン酸プロパルギルエステルの[2,3]-シグマトロピー転位によるスルフィニルアレン調製法を利用して、タンデム型エンジアレン生成-オルトキノジメタン生成-[4+2]環化付加反応の開発に成功している。本法により、多環状芳香族化合物が鎖状化合物から一挙に得られる。しかし、タンデム反応の最終段階である[4+2]環化付加が分子内で起こるように設計した反応系では、対応する分子間反応の場合に比べ環化体の収率が満足のいくものではない。これはスルフィニル基の嵩高さによるオルトキノジメタン中間体の不安定さに起因するものと考え、新規なエンジアレン発生法の検討を行った。その結果、Myersの開発したアレン形成反応(オルトニトロベンゼンスルホニルヒドラジンを用いるプロパルギルアルコールの光延反応-スルフィン酸の脱離-窒素の脱離を伴うシグマトロピー転位反応)を利用して官能基をもたないエンジアレンを発生させることに成功した。本法を用いるタンデム型エンジアレン生成-オルトキノジメタン生成-分子間[4+2]環化付加反応により、環化体が得られることを確認した後、対応する分子内[4+2]環化付加反応の検討をオクタヒドロフェナントレンが生成する反応系で行った。その結果、以前のスルフィニルアレン形成を利用した場合に比べ、環化体の収率が向上した(47%→64%)。 本結果を踏まえ、エストロンの合成を検討することとした。エストロンA環の3位水酸基に変換可能と考えられるヒドロキシメチル基、及びD環部を備えたエン-ビス(プロパルギルアルコ一ル)を合成しタンデム環化反応を行ったところ、環化体生成の可否は3位ヒドロキシメチル基中の水酸基の保護基の種類に依存し、アルキル保護の場合に環化体を得ることができた。現在、収率の向上及びヒドロキシメチル基の水酸基への変換を検討している。
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Research Products
(3 results)