2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規キノジメタン発生法に基づくエストロン類縁体の合成研究
Project/Area Number |
18590002
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北垣 伸治 Kanazawa University, 自然科学研究科, 准教授 (20281818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向 智里 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70143914)
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Keywords | オルトキノジメタン / エンジアレン / タンデム環化 / エストロン / [4+2]環化付加 / 光延反応 / プロパルギルアルコール |
Research Abstract |
前年度は,Myersのアレン形成反応(オルトニトロベンゼンスルホニルヒドラジンを用いるプロパルギルアルコールの光延反応一スルフィン酸の脱離-窒素の脱離を伴うシグマトロピー転位反応)を利用したタンデム型エンジアレン生成-オルトキノジメタン生成-[4+2]環化付加反応を鍵反応とするエストロンの合成を計画し,エストロンA環の3位水酸基に相当する位置にベンジルオキシメチル基を有する四環性化合物を得ることに成功した。そこで今年度は,ベンジルオキシメチル基の水酸基への変換とD環の官能基変換によるエストロン合成の完結を目的として,研究を行った。しかし,ベンジルオキシメチル基から誘導したホルミル基のBaeyer-Villiger反応による水酸基への変換は全く進行しなかった。止むを得ず経路を変更し,ベンジルオキシメチル基を1-メトキシエチル基に代えて検討を行った。鍵反応であるタンデム環化は,これまでのオルトニトロベンゼンスルホニルヒドラジンを用いる方法よりもN-イソプロピリデンオルトニトロベンゼンスルホニルヒドラジンを用いる方法が有効であった。得られた環化体の1-メトキシエチル基をアセチル基へ変換後,Baeyer-Villiger反応による水酸基への変換を検討した結果,トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム存在下,メタクロロ過安息香酸を用いる方法で目的物を得ることができた。さらに,D環の官能基変換を行い,エストロンの全合成を達成した。以上のように,我々が開発した新規なキノジメタン形成を経るタンデム反応を用いて,ラセミのエストロンを合成することができた。
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Research Products
(5 results)