2006 Fiscal Year Annual Research Report
海洋生物由来の細胞周期制御を標的とする抗がん剤シーズの探索
Project/Area Number |
18590003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青木 俊二 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (60252699)
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Keywords | cdk inhibitor / P21 / aaptamine / cryptolepine / 細胞周期 / 抗癌活性 |
Research Abstract |
p53ネガティブであるヒト骨肉腫細胞MG63にcdk inhibitorであるp21タンパク遺伝子のpromoter領域を融合したluciferaseレポータープラスミドを導入・安定発現させた遺伝子改変細胞を用いるアッセイ法によって海洋生物や伝承生薬の抽出エキスや海洋微生物の培養物ライブラリーから、p53などのホスト細胞の情報伝達系に依存せずp21 promoterを直接的に活性化する活性物質を探索し、インドネシアで採集したAaptos属海綿に含有されるbenzo-naphthyridineタイプアルカロイドaaptamineやインドのアユルベーダ生薬であるSida cordifolia由来アルカロイドcryptolepineを活性成分として単離した。また、その作用機序についても詳細に解析し、両化合物が野生型MG63細胞に作用させるとp21タンパクの発現を誘導すること、その細胞周期をG2/M期に停止することを明らかにした。さらに、aaptamineがp21 promoterを転写活性化する際に関与するプロモーター領域におけるレスポンスエレメントを解析した。すなわち、p21 promoterの特定の領域を欠損あるいは変異させた様々なp21 promoter断片にluciferaseIレポーター遺伝子を結合したプラスミドをMG63細胞にtransfectionし、aaptamineを作用させた時のluciferase活性を測定してpromoterの活性化を判断した。その結果、aaptamineおよびcryptolepineは、これまでにp21 promoter転写活性化する物質として知られているHDAC阻害活性を有するtrichostatin Aやbutyrateと同様にp21 promoter上のSp1-3,Sp1-4やSp1-5,6サイトを介しp21 promoterの転写を活性化していることが示唆された。
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