2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590020
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
森 裕二 Meijo University, 薬学部, 教授 (40121511)
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Keywords | ポリ環状エーテル / 合成 / 下痢性貝毒 / アドリアトキシン / オキシラニルアニオン / ガンビエロール / シガテラ |
Research Abstract |
二枚貝が有毒渦鞭毛藻を捕食して毒化すると食中毒を引き起こすことが知られている。その下痢毒性成分としてイタリアでムール貝から単離されたアドリアトキシンは10環性ポリエーテル(ABCDEFGHIJ環からなる)で、ABCD環部分、F環、HIJ環が6員環エーテル、E環が7員環エーテル、G環が8員環エーテルの構造を有する。本年度は、昨年度の研究に引き続きオキシラニルアニオンの反応と6-エンド閉環反応を用いるDEF環合成とビニルラジカル環化反応によるHIJ環合成を実施した。また、8員環構造を有するG環の合成を検討し、6員環エーテルケトンをトリメチルシリルジアゾメタンによる環拡大反応に付すと7員環エーテルケトンが生成し、これを再度同じ条件で環拡大反応を行うと8員環エーテルケトンが中程度の収率で合成できることが明らかとなった。この合成法は簡便な方法で8員環エーテルを短工程で合成できる利点を有するので、今後、アドリアトキシンG環合成適用可能であると考えられる。 さらに、シガテラ食中毒の原因物質の一つであり、有毒渦鞭毛藻Gambierdiscus toxicusの培養藻体から単離された神経毒性を示す8環性ポリ環状エーテルエーテル・ガンビエロールの合成研究を行った。既に合成済のABCD環フラグメントにオキシラニルアニオンの反応、6-エンド閉環反応、環拡大反応を行ってE環部を構築したのち、ケチルラジカル環化反応によってF環を合成し、オキシラニルアニオンの反応と6-エンド閉環反応を2回繰り返してGH環部を構築した。これによりガンビエロールのすべてのポリエーテル骨格を構築することに成功した。
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Research Products
(3 results)