2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
塩入 孝之 名城大学, 大学院・総合学術研究科, 教授 (20012627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 幹雄 名城大学, 薬学部, 教授 (60076726)
森 裕二 名城大学, 薬学部, 教授 (40121511)
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Keywords | タンデム異性化-シリルアルドール反応 / β-置換Morita-Baylis-Hillmanタイプ化合物 / シロキシアレン中間体 / カリウムtert-ブトキシド |
Research Abstract |
我々はすでに、シンコニン由来の4級アンモニウムフルオリドを用いる、フェニルトリメチルシリルアセチレンと芳香族アルデヒドの新規タンデム付加-異性化-シリルアルドール反応を見出し、機能性アレンであるシロキシアレンを経由する、β-置換Morita-Baylis-Hillmanタイプ化合物の新規合成法を確立した。この反応の機構を考察することにより、この反応においてはフッ素イオンのみならず、塩基も重要な役割を果していることが示唆された。そこで今回シロキシアレン中間体である付加生成物プロパルギルアルコールのトリメチルシリル体を調製し、これを種々の塩基で処理し、シロキシアレン中間体を生成し、それに対して種々のアルデヒドを反応させることによって、β-置換Morita-Baylis-Hillmanタイプ化合物の合成法を検討した。その結果塩基としてはカリウムtert-ブトキシドの好適なことが判明し、またプロパルギルアルコールのトリメチルシリル体をカリウムtert-ブトキシドで処理することにより、不安定ながらシロキシアレン中間体を単離、スペクトルにて構造を確認することができた。そしてシロキシアレン中間体を生成した溶液に、種々のアルデヒドを加えることにより、多くのβ-置換Morita-Baylis-Hillmanタイプ化合物を合成することに成功した。先に開発したタンデム付加-異性化-シリルアルドール反応では、生成物において2つの置換基が必ず同一になってしまうのに対し、新規合成法では、3つの置換基がすべて異なる生成物が得られることになり、合成法を一挙に拡大することができた。この新規反応はタンデム異性化-シリルアルドール反応と呼称されるべきであろう。
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Research Products
(1 results)