2007 Fiscal Year Annual Research Report
再利用可能な新規リンカーを用いた含窒素化合物のコンビナトリアル合成法の開発
Project/Area Number |
18590024
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
日置 英彰 Tokushima Bunri University, 薬学部, 准教授 (00208737)
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Keywords | ヘテロ環 / コンビナトリアル化学 / リンカー |
Research Abstract |
本研究課題において新規アニリンリンカーを開発し,それを用いてベンゾチアゾール,ベンズイミダゾール,ベンゾキサゾール類のコンビナトリアル合成法を確立してきた。本年度はこのリンカーを用いて,さまざまな薬理活性が知られ,医薬品の基本骨格として幅広く用いられている,キナゾリン類とキナゾリノン類のコンビナトリアル合成法への応用を検討した。芳香族アルデヒドをアゾメチン結合によってリンカーに担持し,2-アミノベンジルアミンあるいは2-アミノベンズアミドと処理して基質を樹脂から切り放した後,酸化反応を行えば,目的の化合物が得られることとなる。実際には空気中で加熱しただけでは酸化反応は進行せず,目的物は得られなかった。一方,触媒として活性炭の一種であるDazco KBを加えると空気酸化が進行しキナゾリンが得られた。また2-アミノベンズアミドと処理した場合も同様に処理することによって期待通りキナゾリノンが得られた。興味深いことにこの場合はDazco KBの代わりに5%トリフルオロ酢酸溶液を用いても収率良く空気酸化が進行することがわかった。それぞれ最適な条件で基質を樹脂から切り放して,18種類からなるコンビナトリアルライブラリーを合成した。生成物の収率は導入するビルディングブロックによって大きく変動した。続いてベンゾジアゼピン誘導体のコンビナトリアル合成に着手した。この場合,ケトン誘導体をアゾメチンとして樹脂に担持する必要がある。種々の条件で担持を行ってみたが,従来のリンカーではうまく担持出来ないことがわかった。そこで,新たにアルコキシアミンリンカーを開発し,オキシムとしてベンゾフェノン誘導体を担持することに成功した。現在,このリンカーを用いたベンゾジアゼピン誘導体の合成を検討している。
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