2008 Fiscal Year Annual Research Report
再利用可能な新規リンカーを用いた含窒素化合物のコンビナトリアル合成法の開発
Project/Area Number |
18590024
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
日置 英彰 Tokushima Bunri University, 薬学部, 准教授 (00208737)
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Keywords | ヘテロ環 / コンビナトリアル化学 / リンカー |
Research Abstract |
昨年度の終わりに新しいアルコキシアミンリンカーを開発し,これがケトン類をオキシムとして担持できることを見出した.そこで今年度はこのリンカーを用いてベンゾジアゼピン類のコンビナトリアル合成を検討した.まず,3種類の2-アミノベンゾフェノンをオキシムとして担持した.続いて5種類のBocアミノ酸と縮合を行いアミドヘ導いた.続く窒素原子上のアルキル化は液相反応では室温で速やかに進行したものの,固相上では反応が途中で止まってしまうことがわかった.種々の塩基,溶媒,反応時間等を変えて反応を行ったが改善はみられなかった.そこで固相担体の種類の検討を行うことにした.驚くべきことに固相担体の種類や形状によって反応性が大きく異なり,Aldrich社製のポリスチレン樹脂を用いると,収率良くN-アルキル化が進行することを見出した.最後にBoc基の脱保護により生じたアミノ基とオキシムのイミン交換反応による環化で基質の切り放しを行い,目的とするベンゾジアゼピンを得た.粗生成物の純度はあまり高くなかったが,ベンゾジアゼピンが弱塩基性物質であることに着目し,陽イオン交換樹脂を用いたキャッチアンドリリース法によって精製することで,簡便に粗生成物の純度を向上させることができた.このようにして30種類のベンゾジアゼピンライブラリーをわずか4段階で一挙に構築することに成功した.生成物の平均収率は70%程度で,その純度は約90%であった.固相担体を再利用したところ収率は約半分に低下した.現在その理由について検討しているところである.
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