2006 Fiscal Year Annual Research Report
α1ー酸性糖タンパク質分子上における薬物結合部位のマッピング
Project/Area Number |
18590035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
丸山 徹 熊本大学, 薬学部, 教授 (90423657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田切 優樹 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (80120145)
川原 浩一 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (10347015)
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Keywords | α-1酸性糖タンパク質 / 薬物結合部位 / マッピング / 光アフィニティラベル法 / 変異体 / 薬物相互作用 / バリアント / 部位特異的変異法 |
Research Abstract |
本研究は、光アフィニティラベル法及び部位特異的変異法により、AGP分子上の薬物結合部位のマッピングを行うことを目的として実施された。以下に今年度得られた知見を要約する。 1)[3H]Flunitrazepamのラベル化に対する各種バリアント選択的薬物の阻害効果についての検討を行った結果、F1*S体におけるラベル化は、F1*S体に結合選択性を有するワルファリン及びジピリダモールを加えることで有意に阻害された。一方、A体に対するラベル化は、選択的薬物であるジソピラミド、プロパフェノン及びイミプラミンで有意に阻害された。 2)F1*S分子上の薬物結合に関与していると考えられるアミノ酸残基をアラニンに置換したH97A、H100A及びW122A変異体を作製し、限外ろ過法により薬物結合性の評価を行った結果、ワルファリンの関してはH97A及びW122Aにおいて、ジピリダモールに関しては、H100A及びW122Aにおいて有意な結合性の低下が観察された。これらの結果より、97位及び100位のHis残基及び122位のTrp残基がF1*S体の薬物結合に関与していることが示唆された。 3)Cu(II)イオシはA体にのみ特異的に結合し、さらにE92Q、H100A及びC149A変異体で有意な結合性の低下が観察された。また、E92Q/H100A変異体では、E92Q及びH100A変異体と比較.して有意な結合性の低下が観察された。さらにA体においてもW122A変異体で結合性が低下したため、122位のTrp残基の重要性が示唆された。;れらの結果より、A体の薬物結合においては92位のGlu残基、100位のHis残基及び122位のTrp残基が重要な役割を演じており、A体選択的結合性薬物の認識機構に関わっているものと考えられた。
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Research Products
(6 results)