2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境応答型高分子を用いた個別化医療のための薬物代謝能評価・機能解析システムの開発
Project/Area Number |
18590038
|
Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
金澤 秀子 Kyoritsu University of Pharmacy, 薬学部, 教授 (10240996)
|
Keywords | 機能性高分子 / 個別化医療 / 薬物代謝能評価 / 生体機能解析システム / 環境応答性高分子 / キャピラリーLC |
Research Abstract |
本研究では、環境応答性高分子修飾高機能表面を用いた機能解析システムの構築により、ゲノム情報に基づく個別化医療のための患者個人の薬物代謝能評価システムの確立を目的としている。温度やpHなどのまわりの環境変化を自ら認識し応答するインテリジェントな環境応答性高分子を分子設計し、外部変化に応答して分子認識や選択性を制御する高機能表面を用いた既存の方法にはない新しい概念の生体機能解析システムについて検討した。さらに、本システムの薬物代謝能評価に大きな役割を担っているゲノム情報に基づく患者個人の代謝能解析へ応用した。 環境応答事性高分子を用いたキャピラリーカラムによる微量分析系の構築:多種類成分の一斉分析が可能で再現性に優れているHPLCに着目し、キャピラリーカラムによるマイクロシステムの構築について検討した。温度やpH感受性の環境応答性高分子を分離用担体に結合し、内径0.1mmのキャピラリーカラムに充填し、マイクロ分離システムを構築し、テーラメード医療にむけて薬物代謝酵素P450の分子種で遺伝子多型が知られているCYP3A4や1A2のプローブ薬物とその代謝物の分析に成功した。使用する溶媒量や試料量を大幅に削減でき、有機溶媒を用いない方法であることから、手術室内への持ち込みも含めた医療現場での測定法として期待される。また、血液など生体試料の分析の際には、血清タンパクなどの除去のために前処理が必要となるが、本システムでは、血清を前処理なしに注入可能であり、血中の抗てんかん薬の定量が可能であったことから薬物モニタリングなどの臨床への応用が期待される。
|