2007 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線による酸化ストレスの無侵襲解析法の確立とその傷害への応用
Project/Area Number |
18590043
|
Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
増水 章季 Sojo University, 薬学部, 准教授 (30412737)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 啓蔵 崇城大学, 薬学部, 教授 (70175438)
岡崎 祥子 崇城大学, 薬学部, 助教 (40435152)
|
Keywords | 皮膚 / ラジカル / 紫外線 / 活性酸素 / 無侵襲測定 |
Research Abstract |
レドックスバランスの有効性の検討と、水溶性・脂溶性抗酸化物質のラジカルに対する反応性の評価」を行うことが、最終的な本研究の目的である。すなわちニトロキシルラジカルとヒドロキシルアミンのレドックス平衡を利用して生体内のレドックスバランスを解析するため、紫外線照射直後の皮膚組織では酸化的状態に傾いていると予想されるのでニトロキシルラジカルをプローブとして投与して酸化状態充進のときに現れるESRシグナルの変化を観測する。また、このニトロキシルラジカルの反応が抗酸化物質投与による生体内のレドックスバランス平衡にどのような変化を及ぼすかを検討した。(1)ヘアレスマウスから取り出した皮膚組織をテッシュセルで固定し、光照射による実験をおこなった。皮膚の内面に4-hydoroxyTMPOLなどのニトロキシルラジカルを塗布し、光照射ある場合とない場合で比較したところ、照射しない場合でも、ラジカルは減少し、一方、光照射した場合ESRのラジカルシグナルは短時間に劇的に減衰した。さらにその組織切片をフェリシアン化カリウム溶液で処理したが、ESRシグナルの再酸化は10%ほど観測された。すなわち、皮膚の裏側には、ニトロキシルラジカルと反応するREDOX系反応が存在し、皮膚表面にUV照射することにより、ニトロキシルラジカルを還元する反応以外の消去反応系を飛躍的にジャッキしていると考えられた。このことから下記の(2)の実験内容を行った。(2)組織切片を皮膚の裏に5,5-dimethyl-1-pyrroline-N-oxide(DMPO)、2-(5,5-Dimethy1-2-oxo-2λ5-[1,3,2]dioxaphosphinan-2-yl)-2-methyl-3,4-dihydro-2H-pyrrole 1-oxide(CYPMPO)などのスピントラップ試薬を塗布して、同様の操作を行ったところ、ラジカルの生成が確認された。このラジカルは過酸化ラジカルあるいはアスコルビン酸ラジカルの可能性があると考えられた。
|