2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトFEN1のPCNA結合部位近傍に位置するフレキシブルなヒンジ領域の機能解析
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18590046
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森岡 弘志 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20230097)
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Keywords | DNA複製 / DNA修復 / Flap構造 / 構造特異的ヌクレアーゼ / 酵素活性促進機構 / 生体分子間相互作用 / ドメイン構造 |
Research Abstract |
Fla endonuclease1(FEN1)は、二本鎖DNAから一本鎖DNAが枝分かれしたブランチ構造(5'flap DNA)を特異的に認識するエンドヌクレアーゼである。FEN1は、DNA複製およびDNA修復において非常な役割を果たす重要な酵素として知られている。FEN1のヌクレアーゼ活性は、増殖細胞核抗原(Proliferating Cell Nuclear Antigen;PCNA)との相互作用により大きく促進される。ヒトFEN1/PCNA複合体のX線構造解析の結果、FEN1のヌクレアーゼドメインとPCNA結合領域をつなぐアミノ酸配列(-QGST-)がフレキシブルなヒンジ領域がPCNAによるFEN1のヌクレアーゼ活性の促進に関与していることが示唆された、本研究ではタンパク質工学の手法により5'flap DNA/PCNA/FEN1における相互作用を解析した。平成19年度には、以下の〔1〕〜〔4〕のことが明らかとなった。 (1)FEN1/PCNA/5'-flap DNAの複合体形成により促進されるヌクレアーゼ反応では、FEN1のヒンジ鎖長が活性に重要であることが明らかにされた。 (2)PCNAのリングの内側にある酸性アミノ酸残基であるAsp21をAlaに変化させると、5'-flap DNA基質上で機能するPCNAとの親和性を増大させ、FEN1/PCNA/5'-flap DNAからなる3者複合体の形成が大幅に促進され、PCNAによるFEN1ヌクレアーゼ活性の促進効果の増大が見られた。 (3)D21APCNA変異体の存在下では、ヒンジ鎖長を伸長させたFEN1変異体(GS3〜GS5)においてもヌクレアーゼ活性の促進効果が認められた。このことより、D21APCNAは5'-flap DNA基質上でPCNAが比較的自由な位置を取ることにより、ON型の3者複合体を形成する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)